MY☆WORK
![]() <S・Yさん> |
医療機関・施設で欲しい看護師像は違うのか?? 看護師キャリア30年で管理職経験もある、そして、老健も療養病院も急性期病院も御経験されてきたYさんに、率直にお尋ねしたいのは、医療機関・施設によって、欲しい看護師さんというのは違うのでしょうか? Y:やっぱり違いますね。療養と老健・有料老人ホームというのは近いものがあります。基本的に、『患者様・利用者様はお客様。』というのがでてくる。ケア一つにしても、満足度、要求度が高いと思います。利用者様も、御家族もお客様意識がありますしね。それから、療養とか老健は、患者様がいる在院期間が長いので、患者様だけではなくて、御家族との関係というのも濃くなってきます。そういう意味で、より気を遣わなきゃいけないという事がありますね。 |
接遇ですか?
Y:接遇に関しては、急性期以上に大事になってくるかと思います。それと患者様や御家族とじっくり向き合える看護師というのが必要かなと思いますね。
それに比べて、急性期というのは、患者さんの回転も早いですし、特に今、DPC(DiagnosisProcedureCombination:診断群分類包括評価を用いた入院医療費の定額支払い制度)を導入している病院は在院日数も短くなってきているので、じっくり患者さんと向き合える時間というのは少ないです。その中で、『いかに患者さんに満足して頂けるか?』という処で、先読みする能力が凄く必要になってきます。
それと、時間配分が凄く厳しいので、1日10人20人の入退院がある病院だと、1分1秒が貴重になってきます。老健・療養型の感覚でいると1日の仕事が終わらないという事になります。切り替えが出来る方であれば、どちらも(接遇・先読みする能力)看護師の素質としては必要な事なので、両方兼ね備えていれば、一番良いとは思います。療養と急性期で求める看護師像には、この辺に、大きな違いがあるかとは思いますね。
転職を繰り返している方をどうみるか??
あと、お尋ねしたいのは、転職を繰り返している方の履歴書ですね。私達は、転職の多い方のお手伝いもしています。そういう方に対しては、私達も一つ一つ掘り下げて履歴をお聞かせ頂くのですが、採用する側、管理職からみた場合、どこら辺りを気にされますか?
Y:あの、2通りの見方があるかと思います。
一つには退職の理由についてですよね。女性の多い職場なので、結婚・出産という際の転職というのは、これはやもえない部分ですし、さっきの【ワーク・ライフ・バランス】に通じるものもありますね。また、先程もでてきたキャリアアップを目指しての転職という場合。そういう方に対しては、経験を沢山積んできたのだなという見方が一つ。
それから退職理由が明らかでない場合や、曖昧な場合には、『持続力がない人なのかな?』という見方が出来るかなと思います。ですが、私自身がジプシー看護師じゃないですけども(笑)、転職をしながら、自分の中ではキャリアアップを図ってきた組なので、『転職=持続力・忍耐力がない。』とは思わないですね。だから、見方は人それぞれではあると思いますけども、私はその2 通りの見方をします。ですので、私は退職理由という事を、凄く重要視します。
わかりました。有難うございます。
キャリア30年。通信制大学入学。
話は変わりますが、Yさんにお尋ねしたいのは、看護師キャリアが30 年あるのにも関わらず、まだ勉強されていると。通信大学に入学されたとの事ですが、まず学ぼうと思った理由。なぜ、学ばなきゃと思われたのでしょうか? Y:そうですね。今、大学卒業した看護師が増えてきている時代になってきています。私達の時代には、看護大学というのは数える程しかなかったものですから、私は専門学校卒です。そうすると、専門職には長けているかもしれないけれども、一般教養とかの部分では欠けているのかな?と感じる事があるのと、今後は、看護師の資格だけでは、定年まで、あるいは定年後、仕事をしていくのは厳しい時代だと私は思っています。しかも、今、色々な認定・専門看護師とか、看護師+αの資格というのが色々でてきている現状があります。私もこの年齢まで転職を経験してきた者として、『自分の強み』というものを持っていないと、この先看護師という資格だけでは、50歳・60歳になり、生きていけない時代が必ず近いうちにきます。定年を10年後に控えた今、『まだまだ看護師として働いていきたい!』という思いがあります。その中で、例えば、『パート看護師として働いていく』というのも一つの道だとは思うのですが、管理職を長年経験してきた人間として、これからも『管理職として現場に携わっていきたい。』という気持ちが、定年後も私の中ではあります。 |
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この大きな影響を受けたのは、前職場の看護部長です。認定看護管理者を取得しているとか、大学院を卒業しているとか、物事の見方が広い人でした。この部長と接して、看護学だけではなくて、管理職として、経営・労務・人事面等、色々な部分から、幅広い知識をもって、物事をみていくという事が必要だなと思いました。それで、私は、通信制で学んでおります。
経営学。総合マネジメント部ですよね?頑張って下さい!!
ずっと看護師の仕事に関わっていきたい!!
話は変わりますが、看護師さんからの転職相談でよく耳にするのは、【結婚を機に】というフレーズがあります。「結婚を機に今までの職場から離れて、家庭と両立できる職場を希望」とか、「結婚を機に家庭に入ったが、そろそろ現場に戻りたい」とか。。。Yさんは、結婚→出産と、現場から離れた時期もあおりですよね?なかなか現場に戻りたくても、戻れない看護師さんがいるといわれておりますが、Yさんが一度現場から離れて、また現場に戻られたのはどうしてだと思いますか?
Y:少なからず、パートとか保育園勤務とか、家庭に支障のない範囲で、ずっと仕事に関わってきたというのが一つですよね。私の場合、全く現場から離れてしまったというわけではなく、第一線からは退いていましたが、看護師の仕事になんとなく関わってきてたという事実がありますね。
あとは、家族の協力もあったと思います。また、最終的には、自分が、どうしてもこの仕事をやっていきたいという思いが強かったという事ですよね。
やはり、仕事から離れていると、復職するときは不安になります。その時に、最初から急性期のバリバリした医療機関でやっていこうと考えたのではなく、段階を踏んで考えたという云う事もあり、復職に関してはうまくいきましたね。そういった意味では、受け入れてくれた職場に恵まれていたって云う事もあるかもしれないですね。
復職を考えている看護師さんにアドバイスはありますか?
Y:私のいる医療機関は、【人材開発部】という部署があります。そういった部署を持っている医療機関に、まず相談してみるとか、あとは、御自身で調べる際には、【プリセプター制度】がある看護部かどうかとか、そこを基準にしてみるのもよいかもしれません。後は、今の東京都看護協会でも、復職支援をやってますので、そういうのなんかを利用されるとちょっと自信がつくのではないかな?と思います。けれども、私が思うには、やっぱり自転車に乗る経験と一緒で、看護師という仕事を一度やっていれば大丈夫です!また看護師に戻れます!やっぱり、この仕事が好きなのであれば、復職は難しくないと思います。
自転車と一緒ですか??(笑)なるほど。わかりやすいかもです。
先輩として一言!
それでは、最後になりますが、転職を考えている看護師さんに、先輩として一番云いたい事をお願いします。
Y:そうですね。やっぱり看護師の仕事自体は、何処にいっても厳しい仕事ではあると思います。その中でも繰り返しになりますが、『自分が何をしたいのか?』。目的をもって欲しいなと思います。
それと目の前の事だけにとらわれて、「今この状況がつらいから仕事を辞める」「転職をする」とかではなく、今の状況を乗り越えた先に何があるかな?という視点をもって、考える事をして欲しいです。例えば、この先にやり甲斐感じる事が出来たとか、仕事に対しての喜びがあったりだとか。やっぱり、どんな仕事でも楽ではないと思いますし、その中で悩んだり、苦しんだりして、時には痛い目にあって、初めてわかる事っていっぱいあると思うのです。痛い目にあって、そこで辞めてしまうのではなくて、痛い目にあって、それを自分の糧にして乗り越えていって、後々その経験は全部自分の財産になっていくことになると思うんですね。
実際にあった事ですが、年をとってから看護師の免許を取得し、最初、仕事の波に乗れなくて、凄く悩んで、私たちもプリセプターの期間を倍にしたりとか、一から戻って、もう一度指導に入ったりとかした人がいます。今、彼女はやっと独り立ちをしました。独り立ちをする前は、ここで彼女が辞めてしまったら、次はないなと、私達も思ったし、彼女自身もそう思ったと。彼女も、この病院で乗り越えてよかったと、云ってます。やっぱりここがダメだったから、次、ここもダメだったら次って、医療機関を変えていくのではなく、その医療機関で乗り越えてから、次の医療機関にいくと考えて欲しいなって思います。
なるほど。自分だけの判断で動かずに、まず同僚に相談したり、先の事を考えて行動して欲しいという。
Y:そうですね。やっぱり、こういう理由があるから次を目指したい!という風に思って欲しいし、仕事での悩みっていうのは、どこの医療機関にいっても絶対あるし。特に看護師の職場は女性の職場なので、人間関係の悩みは何処にいっても尽きないと思いますし、100%満足出来る職場ってないと思うんですよ。それは転職を繰り返してきた、私が云っているから間違いないと思うんです(笑)。でも、その中で、ココは、満足できるっていう事が一つでもあればやっていけると思うんですね。それが例えば、こういうケアが出来るから良いとか、こういう上司がいるから良いとか、こういう同僚がいるから頑張れる、一つ、なんでも良いと思うんですよ。そういうのがあれば頑張れるのかな??って思います。何処にいっても悩みはありますよ。はい。
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わかりました。では、Yさんにとって、看護師というのは天職っていってよいんですかね?私はインタビューしていて天職だなと思いますけれども。 Y:あの、この年になっても、看護師になって、果たして良かったのかな?と悩むこともあります。変な話ですけど、看護師って教育の段階からそうなってしまうんですけども、気の弱い看護師ってあんまりいない(笑)。(うん、いない(笑))やっぱり、性格的にも強くなってきてしまうっていうのもあるんですよ。段々責任が重くなっていくに従って、気が弱いとやっていけない部分もあるから、強くなってしまうと思うんです。けれども、感謝されて当たり前っていう仕事ではないんです。昔はそうだったと思います。頭を下げられて当たり前の仕事だったかもしれないけども、今は違うんですね。御家族も患者さんも、要望が高い。(要望が)高くなってきているので、サービス業の一つだと思っておりますし、別に特殊な仕事だとは思ってないです。ただ、それなりに皆勉強してやってきているし、皆勉強しながら仕事をしていると思うので、そういった意味では誇りをもって欲しい。誇りを持ってずっと続けていって欲しい仕事だなと思います。私もここまで来たら、もう、生涯続けていきたいなっていう風には思っています。やっぱり、看護師という仕事が、自分にあっていたのかなとは思いますけどね。 有難うございました。 |
【インタビューを終えて】
Yさんと出会って3年位になります。お会いした当初から、既に管理職でバリバリ働いていたYさん。日々、看護師コンサルタントとして、色々な看護師さんにお会いしてますが、若い方と接すると、「今の職場に見本となる先輩や上司がいない。。」といった御相談を頂く事が多く、そう考えた事がきっかけで、転職を決意される方もいらっしゃいます。そんな話を聞いていた時、ふと頭に浮かんで来たのが、Yさんでした。この人の考え方・姿勢を、若い方に伝える事が出来ればと思い、今回のインタビューが実現しました。
人生を重ねてきたYさんの言葉は、看護師という職業でなくても、考えさせられる事が多々あります。このインタビューが、何かを考えるヒントになって頂ければ、嬉しいです。Yさん、有難うございます!
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